Column コラム
「逸品に挑み、一品に絆ぐ。」
これはコロナ禍を経てたどり着いた、道標のような言葉です。
ここでは大切にする視点やものづくりの姿勢を、私たちの歩みとともにご紹介します。
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01一つの荷から、絆を育む。
01一つの荷から、絆を育む。
創業は1983年。「一つの荷から、お客様との絆を育み強くする」という信念を社名に掲げ事業を始めました。最初の転機が訪れたのは、海老しんじょうのレシピを取引先から伝授されたとき。それからは日々おいしさへ導く技術を磨き、現在では前菜・蒸し物・デザートなど、和風会席のコースを網羅する1,000種以上のメニューを企画開発・製造販売しています。
振り返ると、挑戦が私たちのテーマだったように思います。旅先で出会う食への期待が高まる時代、変化の激しい観光・宿泊業界を支えるには何が必要か。各地で評判の温泉宿やホテルに出向き、料理長監修のもと「その地域ならではの、その季節だから味わえる、思い出に残る逸品」に近づけるには、創意と工夫をどう積み重ねればいいのか。挑戦する気持ちが、すべての力の源でした。
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02ものづくりと、生きていく。
創意と工夫が、成果となって現れていた2020年。流れがピタリと止まる出来事がありました。コロナウイルスの出現です。特に観光・宿泊業界への影響は大きく、私たちが扱う会席素材の製造や販売も全面的にストップ。いつ事態が収束するのか予測できず、業界全体が危機に直面しました。
しかしこの逆境がこれまでのやり方を見直し、まったく新しい方法を模索する機会を生み出します。営業・事務・製造という組織の垣根を取り払い、全員がものづくりに携わる新体制に舵を切ったのです。熟練スタッフの退職やコロナ禍明けの再スタートを見越し、限られた人数でフル稼働するための決断でした。
こうして営業や事務を含む全員が、原料へのこだわりや各工程での食材の扱い方など、製品一つひとつに宿るものづくりの背景を感じられるようになりました。結果的に手にしたのは、より深い商品知識に留まらない製品への愛着と自信。まさにピンチがチャンスに変わった瞬間でした。
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03壁にぶつかり、見えたもの。
全スタッフが携わる製造体制は、今も引き継がれています。営業や事務が製造現場で段取り・量り・手を動かすことで、一荷屋のものづくりに欠かせない、手づくり感を残す複雑な工程まで語れるようになりました。会席素材の魅力をお伝えする際には、「板前経験者ですか」と驚かれるほど調理の知識も増えました。
また手仕事を追求する部分と、力のいる単純作業など機械が得意とする部分を検証し、効率とモチベーションを向上。営業・事務・製造の連携がスムーズになり、製造ラインの統括進行を共有する場も生まれました。緊急時には全スタッフでの対応が可能になると同時に、計画的なスケジュール設計によりムダが減り、食品メーカーとしては珍しい土日休みの実現にもつながっています。
ピンチに見舞われたからこそ挑戦し、数々の仕組みや環境を改善し続けた4年間は、たとえ時間がかかっても必ず道は拓かれると実感できた宝物のような経験となりました。これからも変わるものの中から進化の芽を探り、新しい答えを出していきたい。最後のひと手間で完成する、唯一無二の食の物語をお客様に届けるために。